脳梗塞は、起こる部位や起こり方によって、次の三つの種類に分けられます。
ラクナ梗塞
脳に入った太い動脈は、細い末梢の動脈へと枝分かれしていきます。この末梢の動脈に、高血圧などで高い圧力が加わりつづけると、血管壁に障害が生じ、 動脈硬化が起こります。そこに血栓(血液の塊)が詰まって起こるのが「ラクナ梗塞」です。日本人では、このタイプの脳梗塞が最も多くなっています。
ラクナ梗塞では、詰まる血管が細いため、梗塞巣(脳細胞が壊死した部分)も15mm未満と小さいのが特徴です。
高血圧が最大の原因となる脳梗塞ですが、最近では、糖尿病が原因となっているケースも増えています。
アテローム血栓性脳梗塞
血液中のコレステロールなどが、血管壁に入り込むと、アテロームという粥状(じゅくじょう)の塊ができます。それにより、血管の内腔(ないくう)が 狭くなります。この状態が動脈硬化ですが、このタイプの動脈硬化で、脳に血液を送っている頚動脈や脳内の大きな血管に、血栓ができて詰まるのが 「アテローム血栓性脳」です。
この場合、大きな血管が詰まりますが、血栓巣はあまり大きくならないのが特徴です。これは、動脈硬化が起こる際、徐々に血管の内腔が狭くなっていくため、 その部分を通らなくても脳に十分な血液を送れるよう、ほかの血管が発達してくるためです。
高血圧のほか、糖尿病や高脂血症などが原因となります。
心原性脳塞栓症
心臓病があると、心臓の内側に血栓ができることがあります。その血栓が血流によって一気に脳まで運ばれ、脳の血管に詰まってしまうのが 「心原性脳塞栓症」です。最近はこのタイプの脳梗塞が増えつつあり、脳梗塞全体の約3割を占めています。
原因となる心臓病は、不整脈の一種である心房細動(心房の拍動が不規則になる頻脈)が最も多く、心原性脳塞栓症の約7割を占めています。
アテローム血栓性脳梗塞と異なり、突然に血管が詰まるため、大きな梗塞巣ができやすいのが特徴です。ほかの脳梗塞に比べ、死亡率も高くなっています。